Nihil sine magno vita labore dedit mortalibus.

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「ニヒル・シネ・マグノー・ウィータ・ラボーレ・デディト・モルターリブス」と読みます。
主語は vīta(人生)、動詞は dedit(与えた)、直接目的語は nihil (無)、間接目的語は mortālibus (人間たちに)です。
nihilは「無」を意味する不変化名詞、中性・単数・主格です。
sine は奪格を支配する前置詞で、「~なしに」の意味を持ちます。ここでは、magnō…labōre と一緒になって「大きな苦労なしに」となります。
magnōは「大きな」を意味する第1・第2変化形容詞magnus,-a,-umの男性・単数・奪格です。
vītaは「人生」を意味する第1変化名詞、単数・主格です。
labōreは「苦労」を意味する第3変化名詞laborの単数・奪格です。
deditは「与える」を意味する不規則動詞dōの直説法・能動態・完了、3人称単数です。
mortālibusは「人間」を意味する第3変化名詞mortālis,-isの複数・与格です。
「人生は人間たちに大きな苦労なしに何も与えない」という意味になります。
laborを「努力」とし、「人生は大きな努力なしに何も人間に与えない」と訳すことも可能です。
時制は「完了」ですが、一般的真理を述べる表現と見なせます(「格言的完了」)。
ホラーティウスの『風刺詩』に見られる表現です(Sermones 1.9.59-60)。

ラテン文学を読む――ウェルギリウスとホラーティウス (岩波セミナーブックス S14)
逸身 喜一郎
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この記事を書いた人

ラテン語愛好家。京都大学助手、京都工芸繊維大学助教授を経て、現在学校法人北白川学園理事長。北白川幼稚園園長。私塾「山の学校」代表。FF8その他ラテン語の訳詩、西洋古典文学の翻訳。キケロー「神々の本性について」、プラウトゥス「カシナ」、テレンティウス「兄弟」、ネポス「英雄伝」等。単著に「ローマ人の名言88」(牧野出版)、「しっかり学ぶ初級ラテン語」、「ラテン語を読む─キケロー「スキーピオーの夢」」(ベレ出版)、「お山の幼稚園で育つ」(世界思想社)。

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